最終更新 1998年11月
1日
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(1998年度
木曾シンポ用集録から)
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アブストラクト
コンパクト銀河群はその銀河集団としての規模の小ささ故に、その銀河環境や力学的性質が疑問視されてきた。コンパクト銀河群という環境における銀河の形成や進化を解明するためには、メンバー銀河が重力的に結びついたリアルなコンパクト銀河群を選別しなければならない。リアルなコンパクト銀河群では、頻繁な銀河衝突によって銀河内の恒星成分が銀河外に引き擦り出され、銀河群周縁部にエンベロープ成分が形成されると考えられる。そのエンベロープ成分の有無によって、リアルなコンパクト銀河群を選出することが可能である。
我々は木曾観測所の105cmシュミット望遠鏡を用いた、コンパクト銀河群のオプティカル・ディープ観測を進めており、現段階で15個のコンパクト銀河群にオプティカル・エンベロープを検出した。オプティカル・エンベロープの概形はX線観測から示されるホットガスの分布と酷似しており、このことからオプティカル・エンベロープは銀河群の重力ポテンシャルを反映していると考えられる。またオプティカル・エンベロープを有する銀河群では、銀河群質量、速度分散、そしてサイズという3つの物理量の各々の間に相関関係を示すことが確認された。
今回得られた結果から、メンバー銀河が重力的に結びついており、かつ頻繁な銀河衝突が実現しているようなコンパクト銀河群では、特定の物理条件のもとにシステムが成立していることが示唆されている。
第1章
はじめに
第2章
観測および結果
第3章
データ分析
第4章
考察
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