0. KNOPPIX(クノーピクス) の2010年05月20日現在での最新版 6.4.4 を、 この手順に従っ
て 8GB の USB メモリにインストールした。続いて、この環境を、天文学研究が可能な状
況に設定することを試みたので、備忘録を兼ねて、ここに記録しておく。
なお、本作業は以下のPC環境で行った。
PC : NEC 製 デスクトップ PC , Express5800/110Gd
CPU : Celeron 2.4GHz
Memory : 512 MB
HDD : 80GB (今回はあまり意味は無いけれど)
USB flash memory : KINGMAX 製 KD-01 8GB (8GB : USB 2.0 対応)
KNOPPIX: version 6.4.4(日本語 DVD-ROM 版を上記 USB メモリにインストール)
データ保存用ディスクイメージ容量: 3900MB
----- I. 基本的な環境の整備 -----
KNOPPIX 6.4.4 では、天文学研究ツールを導入する上で必要不可欠なアプリケーション
の幾つかがインストールされていない。そこで、まずはこの辺りを整備する。
1.1 csh / tcsh の導入
PC-IRAF のインストールには csh または tcsh が必要である。しかし、KNOPPIX 6.4.4
では CD-ROM 版、DVD-ROM 版のどちらにも未導入である。そこで、こちらを参考にして、
csh を導入した。
apt-get などを使えば、簡単に導入できるはずなのだが、大学のネットワーク環境の
都合で、何と apt-get は使えない!そこで、コツコツと必要なファイルを集めて、dpkg
を使う訳だ(涙)。
1.2 FORTRAN コンパイラ gfortran の導入
KNOPPIX 6.4.4(DVD-ROM版)では、C コンパイラとして gcc が用意されているが、
FORTRAN コンパイラ(f77, f95, gfortran)は導入されていないようだ。すると、
pgplot や PEGASE の導入に支障が出るので。こちらを参考に gfortran を導入した。
----- II. PC-IRAF のインストール -----
こちらに記録したように、KNOPPIX 5.3.1 と同様の手順で、SAOImage DS9 のインス
トール、X11IRAF のインストール、iraf アカウントの作成、PC-IRAF のインストール
を行った。いずれの作業においても、途中で警告やエラーは出ず、サンプルの M51 画像
を、無事に DS9 に表示させることができた。
----- III. SPIRAL のインストール -----
SPIRAL の導入にあたって、まず、CFITSIO と PGPLOT のインストール(というかコン
パイル?)が必要である。そして、PGPLOT を導入するためには FORTRAN のコンパイラ
が必要なのだが、KNOPPIX 5.3.1 と異なり、KNOPPIX 6.4.4(DVD-ROM版)には FORTRAN
のコンパイラがインストールされていない。従って、本ページの I で述べたように、予め、
FORTRAN のコンパイラをインストールしておく必要がある。
すると後は、KNOPPIX 5.3.1 の時と同じ手順で、CFITSIO、PGPLOT、SPIRAL がインス
トールできる。詳細はこちらを参照のこと。
ただ、SPIRAL のコンパイル結果を確認すると、vplot と vprof に関する所で warning
が三つ出てる。warnig だから大丈夫か?
skysub でエラーが出ました...(現在、克服方法を模索中)
IRAF から SPIRAL をロードし、IRAF のサンプル画像 dev$pix に対して、skysub、
isophotes、vprof、vplot を実行し、全て無事動くことが確認できた(直ぐ上の取り消し線の
エラーの原意は、cfitsio のコンパイル後、ヘッダーファイルの幾つかを、/usr/local/
include にコピーせずに、SPIRAL のコンパイルを行ったためだと思われる。その意味では、
SPIRAL コンパイル時に出る警告メッセージは、このエラーとは無関係だろう)。
----- IV. GALFIT の導入 -----
2011年05月20日現在の GALFIT の最新バージョンは 3.0.2 である。KNOPPIX 5.3.1 の時と
同様に、Suse Version のバイナリをダウンロードして、解凍すればOK。詳細はこちらを
参照のこと。
サンプルデータを無事にモデルフィットでき、出力された fits 画像を DS9 に表示させる
ことが出来ました、と。