Digitized Sky Surveyを利用した「暗黒星雲博物館」の作成
〜インターネットで閲覧できる暗黒星雲のデジタル図鑑〜
が地学教育学会の学会誌「地学教育,第55巻,p.13-22」に掲載されました.
より詳しい説明などは,★暗黒星雲探査計画の概要(New!!)をご覧ください
「暗黒星雲、そこは新しい星たちが生まれるためのくらやみ…」
暗黒星雲とは...
この宇宙には数多くの銀河が存在する。私たちが住む太陽系はそのような銀河のひとつ、天の川銀河の片隅にある。
上の図はその天の川銀河を太陽系の方向から真横に眺めた絵である。白いところが太陽のような星が沢山存在する場所。黒く見えるのがまさしく、暗黒星雲である。
銀河系の中には、たくさんの星が存在する.それ以外の星と星の間は何があるのか?全くの真空状態なのだろうか?確かに地球上の真空ポンプでは実現できないぐらい状態だが,ごくわずかながらガス(気体)とダスト(宇宙塵;固体微粒子)とよばれる星間物質が存在している。
この星間物質の分布は一様ではなく、特に密度の高い領域も存在する。このような星間物質の密度の高い領域が、背景の星の光や、散光星雲の光をさえぎって暗く(シルエットとして)見える。これが暗黒星雲の正体である。
暗黒星雲博物館は、地球からみえる天空をメッシュ(格子)状に区切り、その中に含まれる星の数であらわした画像をあらわしている。使用したデータは、Digitized Sky Survey I (DSS I )と呼ばれる、地球から見える全ての星空を網羅したデータである。得られた暗黒星雲の画像は、科学的に精密で、かつ自然の神秘を感じさせる美しいものであり、イメージとして捉えにくい暗黒星雲の新しい教材としても十分に役立つと期待している。誰でも手軽に閲覧できるインターネットを通して、暗黒星雲の多様性や美しさ,そして神秘さを堪能していただきたい。
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Dark Clouds Museum Administrator :Hayato
UEHARA
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