2. スターカウントとDSS
2.2 Digitized Sky Survey
本研究では,写真乾板の全天サーベイをデジタル化したデータベースDSSに基づき,ほとんどの暗黒星雲が含まれる銀緯±40°以内の全銀河面(約28800平方度)についての星数密度分布図を作成した.DSSは,1949年から1960年にかけて,アメリカのパロマー天文台の1.2mシュミット望遠鏡によって観測された“Palomar Sky Survey E plate(北天)”と,オーストラリアのサイディングスプリング天文台の1.2m UKシュミット望遠鏡によって観測された“SERC Southern Sky Survey and the SERC J & QV Equatorial extension(南天)”の写真乾板を,高解像度 (1.7″/pixel) のスキャナーで取り込み,デジタル化したものである.デジタルデータは101枚のCD-ROMに収められており,オンラインでも公開されている.
DSSデータが公開されているパロマー天文台の北天のプレートは,XEプレートとよばれる.プレートの総数は935枚で,乳剤103aEにredplexフィルターを使用して撮影された写真乾板である.有効波長は〜6500Å(Rバンド),限界等級は20等級である.一方,サイディングスプリング天文台による南天のプレートは,SプレートとXVプレートの2種類がある.Sプレートは,総数が606枚で,乳剤 IIIa-JにGG395フィルターを使用して撮影された写真乾板である.有効波長は〜4500Å(Bjバンド),限界等級は23等級である.XVプレートは,銀緯15°以下の銀河面の明るい部分を補完している.プレートの総数は94枚で,乳剤 II-aDにGG495フィルターを使用して撮影された.有効波長は〜5660Å(Vバンド),限界等級は14等級である.
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