おおかみ座暗黒星雲群(Lupus Dark Clouds)



おおかみ座暗黒星雲群 (Lupus Dark Clouds)

 図に示した領域は「おおかみ座暗黒星雲群」である。「おおかみ座暗黒星雲群」は、最近の研究で6つの領域に大別されている。それぞれの暗黒星雲は「Lupus1〜Lupus6」と名前が付けられている。図にはその内の「Lupus1〜Lupus5」を示してある。「おおかみ座暗黒星雲群」は太陽系に最 も近い暗黒星雲の1つであり、その距離は約100pc(約330光年)と推定されている。一番大きな質量をもつ暗黒星雲は「Lupus1」で、太陽の10000倍の質量をもつ。
 「おおかみ座暗黒星雲群」は、若い大質量の星の集団「さそり座・ケンタウルス座OBアソシエーション」と「ケンタウルス座・おおかみ座OBアソシエーション」の間に位置し、その両方から放射される強い紫外線の影響を受けているとされる。その強い紫外線の影響によって星形成が盛んに進んでいると考えられている。また、ここでは太陽程度の質量を持ち、主系列に達していない活動的な若い星 「T-タウリ 型星(おうし座 T 型星)」や、生まれかけの星から放出される超音速のガスの塊が形成する「ハービック・ハロー天体」が発見されており、太陽に最も近い活動的な低質量星生成の領域して重要な研究対象となっている。


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