カメレオン座・ハエ座暗黒星雲群は南半球から見える星座であり、日本からは見ることはできない。この領域には上の図に示されているように、主にカメレオン座 I,II,III及びハエ座(Musca)の4つの暗黒星雲複合体がある。暗黒星雲中のガスの速度情報が得られる分子分光観測(一酸化炭素分子)結果から、この領域は図に示されている4つの領域に分かれている。さらに詳しく調べていると、図中の4つの領域以外でも25個の小さなガスの領域が発見されている。それに加えて、これらの小さな領域には可視光とX線を放射するおうし座T型星(太陽程度の質量をもち、主系列に達していない活動的な若い星 )も見つかっている。
カメレオン座・ハエ座暗黒星雲までの距離は、およそ480光年から580光年の範囲にあり、その質量は以下のように見積もられている。カメレオン座暗黒星雲 I は、1800太陽質量(太陽の1800倍)。カメレオン座暗黒星雲 II は、800太陽質量。カメレオン座暗黒星雲 III は、1300太陽質量である。
カメレオン座・ハエ座暗黒星雲群は南半球で太陽系に最も近い星形成領域であり、太陽程度の星の誕生を研究する重要な領域の一つである。
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