アソシエーション(association)

 特定の種類の恒星の集団をいい,つねに暗黒星雲,散光星雲,若い散開星団を中心に分布している.


もっと詳しい説明

 アソシエーションを構成しているのは,年齢が1000万光年以下の若い恒星で,100光年から1000光年の空間に数個から数百個の集団をつくっている.
 アソシエーションには3種類が知られている.スペクトル型がO型およびB型の恒星からなるOBアソシエーションは中心密度の高い星間物質から生まれて,秒速約10kmくらいの速さで周囲に拡散しつつある星々である.OBアソシエーションは,O型星やB型星の絶対光度が明るいために,遠くまで見つけることができるので,銀河系の中の渦巻腕に沿って分布していることが知られているばかりか,大小マゼラン銀河やアンドロメダ銀河などにも確認されている.OBアソシエーションは分子雲などの周辺に位置し,大規模な星形成領域を構成している.OBアソシエーションは分子雲から外れたところに分布している.それはアソシエーション領域の分子雲がすでにOB星の形成に使用され,さらにその後のOB星からの放射圧などによる散逸過程で消失したと理解されている.
 おうし座T型の集団をTアソシエーションという.反射星雲をともなった恒星の集団をRアソシエーションという.TアソシエーションとRアソシエーションは,それらを構成する恒星の絶対光度が暗いことと濃い暗黒星雲のために,太陽から数百光年の距離までしか観測されていない.TアソシエーションとRアソシエーションの恒星は,高密度の星間物質から最近生まれたばかりか,生まれつつある星々である.
 アソシエーションは,特定の種類の恒星の空間密度が周囲より高いことによって恒星の集団として識別されるが,一般の種類の恒星の空間密度が周囲より高いわけではない.したがって,アソシエーションは星団とは異なる.銀河系空間で集団で生まれた恒星は,遅かれ早かれ一般星野の中へ拡散していく.その拡散速度の速い集団がアソシエーションで,遅い集団が星団として見られるのである.


引用文献

・石田惠一(1987):電離水素領域.小平桂一ほか監修(1987):天文の事典,平凡社

小暮智一(1994):宇宙物理学講座 第3巻 星間物理学.ごとう書房