東京学芸大学 天文学研究室 設備


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天体観測装置

1970年代初めから中頃注1)、東京学芸大学理科教室天文学研究室に、教育・研究を目的とした赤道儀型口径40cmの反射望遠鏡が設置された(詳細はこちら)。この反射望遠鏡は三鷹光器がその最初期に製作したものであり、主に光電子増倍管やCCDカメラを用いた撮像観測に用いられてきた。21世紀に入ってからも、変光星のモニター観測などをテーマとした卒業研究などに使用されたが、経年劣化と手動による天体導入など近年の観測要求に応えることが難しくなってきた。これに対して、2019年初めに予算が認められ、新たな観測装置が導入されることになった。

新たに導入された天体観測装置は、フォーク型赤道儀式の口径40cm反射式望遠鏡である。鏡筒は UK Orion 製 ODK 16、フォーク型赤道儀は Mathis Instruments 製 MI-500、冷却CCDカメラとフィルターホイールは Finger Lakes Instrumentation の ML8300-GPS および、同社製の CFW1-5 であり、フィルターは、Astrodon 製の標準測光システムB, V, RC, ICである。各器機の仕様は以下にその概要を示す。これによって実現する観測性能は、ピクセル分解能が 0.409 秒角/pix、視野 22.7分角×17.0分角である。

注1)ほぼ半世紀前のことであり、正確な導入時期については、大学の事務にも記録が残ってなかった。関連した紀要報告などから1970年代初めから中頃と推察される。


40cm反射望遠鏡

 鏡筒後方には冷却CCDカメラが取り付けてあり、
その落下防止用に緑色のネットを設置している。
製造UK Orion
形式ODK 16
全長820 mm
筒径450 mm
重量36 kg
主鏡直径400 mm
焦点距離2720 mm
F値F6.8
バックフォーカス216 mm
副鏡径152 mm


フォーク式赤道儀

 鏡筒後方には冷却CCDカメラが取り付けてあり、
その落下防止用に緑色のネットを設置している。
製造Mathis Instruments
形式MI-500
アーム幅19 inches
本体重量85 kg
最大搭載重量68 kg


冷却CCDカメラ


製造Finger Lakes Instrumentation
形式ML8300-GPS
CCDチップON Semiconductor KAF-8300
CCDタイプ表面照射型
画素数3326 pix × 2504 pix(830万画素)
ピクセルサイズ5.4 ミクロン
冷却温度外気温から-55℃
強度分解能16 ビット
読み出しノイズ11 e- RMS @1.5MHz
暗電流0.001 e-/pix/s@-35℃
動作環境-30℃~45℃、湿度10%~90%
メカニカルシャッターφ45
本体サイズ94 mm ×94 mm ×121.3 mm
本体重量1.3 kg
内部ガスAr


フィルターホイール

 冷却CCDカメラは、フィルタホイール
を介して、鏡筒に取り付ける。
製造Finger Lakes Instrumentation
形式CFW1-5
本体重量1.7 kg
ホイール数1
フィルター位置5
フィルターサイズ2 インチ / 50 mm
フィルター厚み3 mm - 5 mm


広帯域フィルター

 本観測システムと標準測光システムの透過曲線。
製造Astrodon
フィルター名BVRCIC
中心波長注2)(nm)423.3539.7639.1808.4
ピーク波長注3)(nm)418527598774
バンド幅注4)(nm)95.599.2148.8165.7
帯域注5)(nm)375.5-471.0490.1-589.3564.7-713.5725.5-891.2
最大透過率(%)97.798.598.598.4
注2)帯域の中心となる波長
注3)透過率が最大となる波長
注4)波長に対する半値幅
注5)相対的な透過率が50%以上となる波長帯

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Created: Mon Sep 27 16:17 JST 2004
Last modified: Fri Sep 09 16:40 JST 2022


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