0. ここにはダウンロードしてきた HST(Hubble Spage Telescope) の
アーカイブデータ(WFPC/WFPC2によるもの)を解析可能にするまでの
メモを記しておく。なお、ここで用いるデータはキャリブレーション済の
データである。
1. IRAF および STSDAS の起動
ここではダウンロードしてきた fits 形式の HST データファイルを
HST_original.fits と表記する。このデータファイルは fits 形式では
あるが、このままでは(少なくとも IRAF 上では)何もできないはずである。
何にしてもまず IRAF を立ち上げ、STSDAS をロードする。老婆心では
あるが、
prompt> cl
cl> stsdas
と入力すれば良い。cl というプロンプトが、
st>
となるはずである。そして実際にダウンロードしたデータがあるディレク
トリへ移動する。以下の作業はダウンロードしたデータが置いてあるディ
レクトリ内で行なうものとする。
2. FITS 形式から HHH 形式への変換
STSDAS が起動している IRAF 上で次のように入力し、データ出力の形式を
HHH 形式に指定する。
st> set imtype = hhh
IRAF 形式に戻したければ、
set imtype = imh
とすれば良い。
次に STSDAS の fitsio パッケージをロードし(プロンプトが``fi>''となる)、
その中の strfits というタスクを用いて、ダウンロードしてきた fits 形式の
ファイルを HHH 形式のファイルに変換する。ここではダウンロードしてきた
HST_original.fits というファイルを HST_original.hhh というファイルに
変換することにする。
st> fitsio
fi> strfits HST_original.fits * HST_original.hhh
これで HHH 形式の HST_original.hhh というファイルが出来る。このファイル
は一見 IRAF の display タスクで見ることができるが、実際には WFPC/WFPC2 の
1つのPCイメージと3つのWFイメージが重なっており、このままでは、同時に
4つのうちの一つしか見ることができない。
3. 4つのイメージの繋ぎ合わせ
4つのイメージ(1つのPCイメージと3つのWFイメージ)をきちんと並べて、
全てを一枚のイメージに展開するには、hst_calib/wfpc 内にある、wmosaic
というタスクを用いる。ここでは先程ファイル変換した HST_original.hhh
というファイルを、HST_original_ext.hhh というファイルに展開すること
にする。
st> hst_calib
hs> wfpc
wf> wmosaic HST_original.hhh HST_original_ext.hhh
これでできたファイル HST_original_ext.hhh を IRAF の display タスク
でみると、4つのイメージがきちんと並べられており、4つの全てを同時に
見ることができる。そしてこの HST_original_ext.hhh ファイルは普通に
IRAF 上で取り扱うことができる。
4. FITS 形式への再変換
前の所までで普通に IRAF で扱える HHH 形式の画像ファイルが出来た
訳だが、さらに汎用性の高い fits 形式に再変換しておく。ここでは、
HST_original_ext.hhh ファイルを HST_original_ext.fits ファイルに
変換することにする。
結局はこれまた老婆心であるが IRAF 上で、
wfits HST_original_ext.hhh HST_original_ext.fits
とすれば良い。
この fits 形式ファイルは4つのイメージがきちんと並べ直されており、
かつ汎用性の高い画像形式であるので、より扱いやすいものになっている。