0. CLOUDY は G. J. Ferland 氏が作成した、光電離プラズマから放射される スペクトルの数値計算コードである。CLOUDY に関する査読文献としては、 G. J. Ferland et al. (1998) "CLOUDY 90: Numerical Simulation of Plasmas and Their Spectra", PASP,110 , 761-778 を参照されたい。 またソースコードのDLサイトを兼ねたwikiページ、http://www.nublado.org/ も公開されているので、こちらも併せて参照されたい。 本ページには CLOUDY の入手方法とコンパイル、そして簡単な使用方法を、私の 備忘録を兼ねてメモしておく。なお、実際にCLOUDYのコンパイルに成功した私の個人的 な PC 環境は以下の通りである。 CPU : Celeron 2.4GHz OS : Vine Linux 4.2 (default) Memory : 1.5GB CLOUDY : version 08.00 ----- I. CLOUDYの入手とコンパイル ----- 1.1 CLOUDY の入手方法 CLOUDY 各バージョンのソースコードは、以下のURLで公開されており、誰でも 無償で入手出来る。 http://viewvc.nublado.org/index.cgi/tags/release/ 本稿執筆時での最新版、08.00をDLするために「c08.00」を左クリックする。 表示された個々のファイルとディレクトリを、頑張ってDLしてもいいのだが、 上部に出ている「create and download a tarball 」を左クリックすれば、必要な ファイルをディレクトリ構造を保持した状態で tar+gz 圧縮した上でDLできる。 今回は「c08.00.tar.gz」というファイル名で保存できた。 なお CLOUDY は2010年01月26日現在、公開中である。 1.2 CLOUDY ソースコードの展開とコンパイル 入手したソースコードの圧縮ファイル c08.00.tar.gz を適当なディレクトリに 置き、コマンドラインから、 prompt> tar -zxvf c08.00.tar.gz [RET] と入力。 すると、カレント・ディレクトリに「c08.00」というディレクトリが作成され、 関連したファイルやディレクトリは全てこの中に展開されている。 CLOUDY は C で記述されており、コンパイルに必要な Makefile の雛形は c08.00/source/ に置かれている。さらに c08.00/source/sys_* という各ディレク トリに、様々なコンパイル環境用の Makefile が用意されている。 ただし、コンパイルの際には、c08.00/source に置かれているスクリプト precompile.pl が最初に実行されるため、これを実行可能にしておく、即ち、 prompt> chmod +x c08.00/source/precompile.pl [RET] と入力してパーミションを実行可能にしておく。 本環境では C コンパイラとして gcc を使用しているため、 prompt> cd c08.00/source/sys_gcc [RET] としてカレント・ディレクトリを移動、続いて、sys_gcc の中で、 prompt> make [RET] を実行。コンパイルが開始される。スクリプト precompile.pl が実行可能になって いないと、"precomple.pl が動かないよ~"という感じのメッセージが出力されて、 プロンプトが帰って来なくなる(その場合はCtrl+cで中断)。また本コンパイル環境で、 コンパイルの開始から終了まで45分ほどの時間がかかった。結構ハードのようだ。 コンパイルが無事完了すると、c08.00/source/sys_gcc の中に「cloudy.exe」が 出来上がっているはずだ。これが CLOUDY の実行ファイルである。 ----- II. CLOUDYの使い方 ----- (以下、執筆中)
Last modified: Sat Jan 23 13:00 JST 2021